白露(はくろ)
2020年9月7日
大氣が冷えてきて露ができ始める頃。
朝露が草の葉に宿り、白く輝き
夜間の冷え込みを知らせてくれます。
「陰氣やうやく重りて、露にごりて白色となればなり」
この日から「仲秋」
昼夜の氣温差大きく、朝夕は肌寒く感じる、本格的な秋の到来です。
草露白(くさのつゆしろし)
鶺鴒鳴(せきれいなく)
玄鳥去(げんちょうさる)
草に降りた露が、白く涼しく光る
川の上流域でセキレイが鳴き始める
つばめは南へ帰って行く
(また、来年の春先の再会を楽しみに待ちましょう)
『露が降りると晴れ』という言葉のように
朝露は、その日のお天氣を伝えてくれます。
本当に、自然界はいつも私達に自然を通して
いろいろな事を教えてくれますね!

妙高高原(妙高山) 黒姫高原からの景色
9月9日は『重陽の節句』。
奇数=陽数、
偶数=陰数、
陰数が重なっても、陰数ですが
陽数が重なると、陰に転じるとも考えられ
邪氣を払い神様をお迎えする行事が必要という思いが
次第にお祝いのかたちとなり、
陽数の最大値、9が重なる9月9日を
“重陽(ちょうよう)”と呼んで特におめでたい日として祝ってきました。
また、旬をむかえる “菊” は、
邪氣を払い不老長寿の霊力を持つと考えられてきましたので
9月9日、重陽の日が『菊の節句』というのも納得ですね。
重陽の日は秋の収穫をお祝いする、
「くんち」というお祭りにもなったようで
ナスの煮びたしなどを食べて、不老長寿・無病息災を祈るそうです。
くんち=九日⁉︎ にナスを食べると、中風にならないという言い伝えがあるようですよ。
9月第3月曜日は『敬老の日』。
多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日。
昔、「人生五十年」と言われていた時代、
幸運だから長く年齢を重ねられることができたと捉えて
老後という言葉ではなく “老いに入る” という
軟らかく、知的な言葉で表現されていて
知恵深いお年寄りを、尊敬し、大切に敬っていたのが読み取れます。
激動の時代を生きて、
年月をかけて身につけた知恵はかけがえのない
貴重な日本の財産だと思います。
PCで瞬時に得られる情報とは違うのです…
そのお年寄りの知恵を受け継いで、活かしていかれるといいですね。
長寿のお祝いを書き出してみました。
【還暦】かんれき(六十歳)
カラー <赤色>
干支は60年で一巡。
暦が元に戻り、赤ちゃんのように新しい生命力を得て
元気に過ごして欲しいという願いが込められて、
赤には、魔除けの力があるとされています。
【古希】こき(七十歳)
カラー <紫色>
中国の詩人杜甫の作「曲江」の一節
『人生七十古希稀なり』に由来。
当時、七十歳まで生きているのは珍しかったのでしょう。
現在では、還暦よりも本格的な長寿のお祝いですね。
【喜寿】きじゅ(七十七歳)
カラー <紫色>
日本発祥のお祝い
室町時代に始まり、庶民に定着したのは江戸時代。
「喜」の字を草書体で書くと七十七に見えるため。
【傘寿】さんじゅ(八十歳)
カラー <黄色(金茶)>
日本発祥のお祝い
「傘」の字の略字が、八と十を重ねた形で
八十に見えることから、やそじゅとも読む。
【米寿】べいじゅ(八十八歳)
カラー <黄色(金茶)>
「米」の字が、八と十と八からできているから。
現代でも長寿ですし、八が重なる縁起のいい歳です。
【卒寿】そつじゅ(九十歳)
カラー <紫色>
「卒」の字の略字が、九と十を重ねて九十に見えることから。
紫は、高貴な色でおめでたい長寿のお祝いに用います。
【白寿】はくじゅ(九十九歳)
カラー <白>
日本発祥のお祝い
「百」から「一」を引くと『白』、そして九十九になるので。
白には、健康・神聖・祝福 の意味があります。
【百寿】ひゃくじゅ(百歳)
カラー <白>
六十歳を下寿、八十歳を中寿、
百歳を上寿としたことから上寿(じゅうじゅ)、
100年は一世紀なので紀寿(きじゅ)、
また百寿(ももじゅ)などの呼び名があり、
『百賀(ももが)の祝い』とも言われます。
百歳以上は毎年お祝いですね。
この後も、茶寿・皇寿・大還暦・そして二百五十歳の天寿と続きます。
すがすがしく、キリッと澄み切った高い空を見つめながら…
命は与えられた、自分が使える時間、
だからこそ精一杯、自分らしく
寿命を全うしたいですね!!

水引草(みずひきそう)一つの花に赤と白の二色
細長い茎に小さな赤と白のお花が、祝儀袋の水引紐に似ているので名付けられた様