小雪(しょうせつ)
2020年11月22日
北国や高地で雪が降りはじめるが
わずかなので積もる程ではない
陽射しは弱くなり、紅葉は散り
次第に冷え込みが厳しくなってきます。
「冷えるが故に雨も雪と也てくだるが故也」
日照時間が短くなり、空氣は冷えて
雨は降ってくる間に雪となっている。
虹蔵不見 (にじかくれてみえず)
朔風払葉 (きたかぜこのはをはらう)
橘始黄 (たちばなはじめてきばむ)
陽が短く雨も少なくて乾燥して虹を見かけなくなる
北風が木の葉を払い除ける
橘の実が黄色くなり始める
「蔵」とは潜むの意味、隠れて表にはわからない
「朔」とは一日(ついたち)、北の方角
「橘」とは柑橘の事、常緑植物なので “永遠” を意味し
「不老不死」の実と言われていたようです。
日本固有の柑橘類で、
家紋や文化勲章のデザインにもなっていますよね。
お雛様の飾りで、“右近の橘・左近の桜”がありますが
その頃まで黄色い実を結んでいるのですね。
曇り空が多くなり、冷たい北風が
枝に残っていた葉を払い落とすと
“冬”の到来を思い知らされ、一層寒さを感じますね。

11月23日 新嘗祭
この年の収穫を神様にお供えして感謝するお祭り。
収穫に感謝し、新しい穀物の力を得ることで
生命力を蘇らせ、次の新しい年の恵みを祈る
大切なお祭りです。
「新嘗」とは…
「新」は新穀(初穂)、「嘗」はご馳走、を意味するとの事。
その年に収穫された新しい穀物を、天照大神はじめ天神地祇にお供えし
五穀豊穣を感謝すると共に、神からの賜りものとして
天皇自らもいただく“共食”の儀式で、同日に全国の神社でも行われます。
昔は新嘗祭が終わってから
新米を食べ始める家庭が多かったと言われています。
とはいえ現代では 勤労感謝の日。
「勤労を尊び、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」
農作物に限らず全ての生産を祝い、勤労を労う祝日ですが
やはり日本人にとってお米は特別!
田んぼから家庭までの全工程含めて感謝です。
北風の日が多くなりますが
移動性高気圧で暖かくなることもあるこの時期。
春のように穏やかな “小春日和” が続き
帰り花・忘れ花といわれる春の花が咲くこともあります。
厳しい冬が訪れる前に、樹木たちも越冬準備で
松の木にぐるっと藁の腹巻き⁈は、“こも巻き” といわれ
冬の寒さ対策だと思っていたのですが、
害虫駆除のためだったのですね!
害虫たちを地上の落ち葉の中ではなく、
こもの中で越冬させ春にこもを外せば害虫も取れて
共に焼却できるとの事です。
立冬過ぎから巻きますので、そろそろ見られる風物詩ですね。
“こも外し” は、春の『啓蟄』(3月6日頃)だそうです。
他の冬対策に
雪の重みで樹木の枝が折れてしまわないように放射状に縄を張る
“雪吊り” があります。
古来からの知恵は、どれも環境に優しいですね。
環境に優しいとは人にも優しいということ…
いろいろ活かせれば、もっと暮らしやすくなるのかもしれませんね。
寒さと共に、空氣の乾燥が強くなってきます。
風邪やウイルス対策が大事です。
加湿しながら、
健康にもお肌にも氣をつけて過ごしましょう!
