
2022年4月20日【穀雨(こくう)】
地上の穀物に実りをもたらす雨がしっとりと降りそそぐ頃
お茶農家や米農家にとって大事な時季です。
柔らかな雨に大地は潤い、新芽や若芽はぐんぐん育っていきます。
「春雨降りて百穀と生化すれば也」
この時期に降る雨は、百穀を潤し芽を出させる春雨として『百穀春雨』と言われています。
種まきなどを始めるのに適した時期なので、農作業の目安とされています。
〜七十二候〜(しちじゅうにこう)
春夏秋冬、一年間を二十四分割した二十四節気を更に三分割したのが七十二候。
季節それぞれの出来事をそのまま名前にした言の葉、約五日ごとに移ろう細やかな季節。
①初侯・第十六侯 4月20日~4月24日
葭始生(あしはじめてしょうず)
水辺の葭(あし)が芽吹き始める頃
山や野が緑一色に輝くと、水辺にも春がやってきて葭の若葉が見られるようになります。
葭は、「蘆」や「葦」とも書きますし「よし」とも読まれます。
古来、日本の夏の強い日差しをさえぎる ”すだれ“ や、窓際に立てかけて使用する ”よしず“ などに使われてきた他、
屋根・紙・楽器などにも用いられるなど、人々の生活にはなくてはならないお役立ち植物なのですね。
日本の古名『葦原の国』も「葦」がたくさんあることがの由来のようです。
②次侯・第十七侯 4月25日~4月29日
霜止出苗(しもやんでなえいずる)
霜も降りなくなり苗がすくすく育つ頃
苗代が美しい薄緑色のじゅうたんのように見え始めると、農家では田植えの準備で忙しくなる時期ですが、
かわいく芽吹いた苗たちと、活気溢れる日々の始まりですね。
③末侯・第十八侯 4月30日~5月04日
牡丹華(ぼたんはなさく)
美しく大きなぼたんの花が咲き始める頃。
百花の王といわれる牡丹の花。
中国では国を代表する花とされ、逸話・伝説・美術・工芸に登場します。
日本でも、平安時代から多くの愛好家に好まれています。
牡丹は、「菊」「葵」に次いで権威のある紋章だそうです。

5月2日は、立春から八十八日目。
『米』の文字が八十八の組み合わせですし、末広がりなので縁起の良い日とされてきました。
この時期のみずみずしい新芽のお茶を新茶(一番茶)と言い、
八十八夜に摘まれた新茶を飲むと、病気にならない、長生きするなどと言われています。
カフェインやカテキンが少なく、テアニンという旨味成分が豊富に含まれていて
リラックス効果もあるからのようです。
旨味と渋味、そして苦味のバランスが優れている新茶は、栄養も美味しさも優秀なのですね。
「八十八夜の別れ霜」といわれるように、霜の被害が少なくなる頃、
種まきなど農作業には大切な目安の日になります。
豊作祈願行事や夏の準備を始める吉日ともされています。
余談ですが…
水口(みなくち/みずくち)ってご存知でしょうか⁈
その名の通り、水の出入り口のことで、特に水田における取り入れ口を指すそうです。
種もみをまく日、田んぼの水口に季節のお花や小枝を挿し、
種もみの残りで作ったお米を焼いて供える習慣があるそうです。
お花は、この時期に咲く「苗代花(なわしろばな)」と呼ばれるウツギ・ツツジの他ヤマブキやアヤメなど、
山の神から田の神をおろす依代。
豪華ではなくても楚々としたお花と水が引かれたばかりの田んぼ…
この時期だけの特別な風景です。
山野の花の波動を新たな田んぼに取り入れるのですって‼︎
そして、お供えの焼き米は、鳥達へのプレゼント。
秋の収穫物を荒らさないようにとの願いが込められているようです。
お米をお裾分けしたり、実った果実を全て収穫せず残しておいたり、あたりまえに行われていた分けあい…
自然界の恵みの力を信じて生きているもの同士の共生⁈
自然に寄り添えなくなり、ほかの生き物達との距離も離れてしまうと、生態系も変わってしまうのですね。
全て同じ自然界の一部ですのに…ね。

4月17日(日)イースターの日から“春の土用入り”です。期間は5月4日まで。
この時期、ガーデニングに最適なのですが、
土用期間は、『土公神』という土を司る神様が支配していますので、土の作業は基本避けるのですが
「間日(まび)」と言って、土公神が土の中ではなく天上界に行ってらっしゃる日だけは、土いじりOKなのです。
春の土用期間の間日は…巳・午・酉 の日
今年は、4月22日(金)・23日(土)・26日(火)・5月4日(水)です。
そして、土用といえば丑の日。
あらっ? 一昨日4月18日が丑の日…⁇
でも、大丈夫‼ ︎4月30日(土)が「二の丑」ですので。
土用ということは、この【穀雨】が春最後の節氣、季節は次へと巡っていきます。
若葉萌える新緑のシーズン、木々の緑も雨上がりは一層鮮やかですよね。
八十八夜に摘まれた、うまみ成分が多い新茶も楽しみたいですね。
ミッションメンタリング協会認定マスター
周防千賀子
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