
2022年7月7日【小暑(しょうしょ)】
暑さが本格的になる頃
夏の暑さにそなえる前に
暑い夏が駆け足でやってきてしまった今年…
急激な気温上昇、厳しい陽射し、
あっという間に爽やかだった風も生温かい風へと
急速な変化は身体もキツイですよね。
「大暑来れる前なれば也」
(たいしょくれるまえなればなり)
【大暑】とはこの次の節気。
大暑の前の小暑ですか・・・そのままでした。
小暑と大暑の期間が『暑中』
季節のお便りは
「暑中お見舞い申し上げます」となります。
〜七十二候〜(しちじゅうにこう)
春夏秋冬、一年間を二十四分割した二十四節気を更に三分割したのが七十二候。
季節それぞれの出来事をそのまま名前にした言の葉、約五日ごとに移ろう細やかな季節。
①初侯・第三十一侯 7月7日~7月11日
温風至(あつかぜいたる)
気温が上がり温かい風が吹いてくる頃
温風(あつかぜ)とは南風のことで「白南風(しろはえ)」とも呼びます。
陽射しも徐々に強くなり風も熱を帯び始めます。
湿った空気が山を越えて乾いた暖かい風となる「フェーン現象」が起きると更に気温があがりますよね。
②次侯・第三十二侯 7月12日~7月16日
蓮始開(はすはじめてひらく)
蓮の花が咲きはじめる頃
泥の中から茎をのばし美しい花を咲かせることから
清らかな象徴で“極楽浄土”で咲く花ともいわれます。
「蓮は泥よりいでて泥に染まらず」
…なんか素敵な表現ですね。
蓮の花びらが散ると真ん中の花托が
“ハチの巣”のように見えることから「蓮」と名付けられたようです。
③末侯・第三十三侯 7月17日~7月21日
鷹乃学習(たかすなわちわざをならう)
鷹のひなが成長して巣立つ準備をする頃
飛び方や獲物の捕まえ方など、独り立ちに備えての練習に真剣に取り組んでいます。
そんな親子の鷹、見かけたら嬉しいですね。
大空を風に乗って優雅に旋回しているように見えますが
獲物を捕獲するときは時速80kmのスピードが出せるとか…
余談ですが…
目黒区にある『鷹番(たかばん)』という地名。
江戸近郊の農村地帯は、将軍家の鷹狩りの場所「御鷹場(おたかば)」として指定されていて、
八代将軍徳川吉宗の頃以降
江戸周辺五里の範囲一円の「江戸廻り六筋御鷹場」を舞台に
将軍御一行の鷹狩りや遊猟が盛んに行われていました。
この六筋御鷹場のひとつ、「目黒筋」といわれる約十六万坪の広大な御鷹場が
現在の目黒区・港区・品川区・渋谷区・世田谷区にあたるようです。
目黒区にある『鷹番』は
単に「鷹場」や「鷹場前」又は鷹場の監視の「鷹場番所」から転訛したようです。
また、目黒通り(目黒大鳥神社近く)に『元競馬場』というバス停、交差点標識があります。
こんな所に競馬場⁈ですよね。
1907年に開場された競馬場で、一周1マイル(約1609m)。
「目黒競馬場」という名称だったそうですが、1933年に閉場されたようです。
さて、競馬場はその後どこに移転したかお分かりでしょうか⁇
そう‼︎
府中にある『東京競馬場』になったのですって。
昔の地名が今でも残っているって素敵ですよね。
古と繋がっているのを再認識できますもの。
歴史も漢字の読み方も覚えられますしね。
本日七月七日は『七夕の節句(しちせきのせっく)』
願い事を短冊に書いて星に祈る「星まつり」
笹竹に飾り物をするので「笹の節句」
などと呼ばれていますよね。
笹竹は生命力が強く成長も早いし、
中の空洞に神様が宿っていると考えられていて
神聖なものとして扱われれていたそうです。
また真っ直ぐに天に向かって伸びていくので
お願いも届きやすいだろうとのことで
短冊や七夕飾りを吊るすようになったとのことです。
中国では、7月7日に最も光り輝く「こと座」のベガ(織姫)と「わし座」のアルタイル(彦星)の伝説で
ベガは裁縫をつかさどり、アルタイルは農業をつかさどる星と考えられていました。
この伝説から、織姫にあやかって裁縫が上達するように願いを込めて
庭先に針や糸をお供えして星に祈った行事『乞巧奠(きこうでん)』
上記が日本に伝わり、
元々の、乙女が神様のための着物を織る『棚機(たなばた)』という神事が結びついたようです。
これで『七夕』“しちせき” と書いて “たなばた” と読む理由がわかった気がします。
七夕に飾られる五色の短冊は、もちろん「木・火・土・金・水」の陰陽五行。
そして孔子が礎を築いた「仁・礼・信・義・智」の五徳。
短冊以外には
魔除けの意味の五色のカラフルな吹き流し、
長寿と夫婦円満を願い千羽鶴、
紙衣(かみこ)は子供の成長を願う着物の形の飾り物、
巾着は金運を意味する飾り物、
などなど
お願い事やお飾り物でにぎやかに飾られた笹竹。
夏らしい風情ですね。
今夜は、夜空を眺めて、そうめんをいただいて織姫と彦星に想いを馳せて七夕を過ごしてみませんか。
そして7月20日から「夏の土用入り」です。
夏土用の間に『土用の丑の日』は2回ありますよ!
7月23日(土)と8月4日(木)です~。
【小暑】とはいえ暑さは厳しさを増してきます。
熱中症、紫外線、コロナなどお氣をつけてお過ごしください。
ミッションメンタリング協会認定マスター
周防千賀子
