
2022年9月8日【白露(はくろ)】
白い露の【白露】
なんかちょっと涼しげで素敵な名称の節気ですね。
朝夕は気温が下がり、
朝露が草の葉に宿り、白く輝く頃。
夜中に大気が冷えて降りた露は白い粒のように光って
秋の気配が深まってきます…
「陰気ようやく重なりて露こごりて白色となれば也」
陽氣と入れ替わった陰氣が増えて気温が低くなることで
朝露は朝靄の中で白く輝き
夜間の冷え込みを知らせてくれます。
〜七十二候〜(しちじゅうにこう)
春夏秋冬、一年間を二十四分割した二十四節気を更に三分割したのが七十二候。
季節それぞれの出来事をそのまま名前にした言の葉、約五日ごとに移ろう細やかな季節。
①初侯・第四十三候 9/7~9/11
草露白(くさのつゆしろし)
草花の上に降りた朝靄が白く涼しげに見える頃。
小さな露が降りるのは、
放射冷却などで空気中の水蒸気が冷やされるから。
そして雲ひとつない大きな高気圧に包まれるので
「露が降りると晴れ」という一日を約束してくれます。
②次侯・第四十四候 9/12~9/17
鶺鴒鳴(せきれいなく)
セキレイが鳴き始める頃。
川の上流域や水辺ばかりではなく、
民家の軒下などにも巣を作る「チチチチ」という高い鳴き声の鳥です。
スマートなボディに長めの尻尾、
その尾をピンと伸ばして上下に振りながら地面を叩くようにちょこちょこ歩くので
「イシタタキ」とも呼ばれます。
③末侯・第四十五候 9/18~9/22
玄鳥去(つばめさる)
春先に飛来したツバメが
暖かい南の地域へと帰っていく頃
二十四節気『清明(せいめい)』初候(4/4~4/8)の、春の暖かい日差しの中、
その名の通り天地万物、清らかな明るさに満ちている頃にやってきたツバメが
日本で子育てをしながら夏を過ごし、この時期再び越冬地へ帰ります。
余談ですが…
ツバメの移動距離は数千キロ、
一日に三百キロ以上飛ぶこともあるそうです。
ツバメってスピーディにスマートに
カッコよく大空を自由自在に飛んでいるイメージですよね。
でも、天敵に狙われることがないように、
あえて雲に覆われたお天気の悪い日や
小雨降る日でもたくましく飛んでいくんですって。
春に農耕シーズンを知らせてくれるように
飛来して軒下など人の身近に巣を作り
田畑の害虫を食べて、秋に無事の収穫を確かめて去っていく…
人間との季節限定の素敵なパートナーですね。
春先の再会を楽しみに待ちましょう!
さて、本日を過ぎるとちょっと忙しくなります。
いっきに駆け抜けていきましょう。
先ずは 九月九日『重陽の節句』
一年に五回ある節句の最後です。
奇数=陽数、
偶数=陰数、
陰数が重なっても、陰数ですが
陽数が重なると、陰に転じるとも考えられました。
そして、邪氣を払い神様をお迎えする行事が必要という思いが
次第にお祝いのかたちとなり、陽数の最大値、9が重なる9月9日を
「重陽(ちょうよう)」と呼んで、
特におめでたい日として祝ってきました。
また旬をむかえる“菊”は
翁草(おきなぐさ)・齢草(よわいぐさ)ともいわれ
邪氣を祓い不老長寿の霊力を持つと考えられてきたので
この重陽の節句が『菊の節句』とも言われています。
食用菊を日本酒に漬けた
「菊酒」を飲んだり
お料理に菊を散りばめて召し上がると
菊の霊力が邪氣を祓い清められて
長寿になれるとのことです。
次の日九月十日は『中秋の名月』
そして十五夜満月。
えっ⁈もう…って思われた方も多いと思います。
だって昨年2021年の中秋の名月は9月21日でしたもの。
白い丸いお団子と
「秋の七種(草)」などを一緒にお供えします。
※秋の七草
萩(はぎ)
尾花(おばな)
葛(くず)
撫子(なでしこ)
女郎花(おみなえし)
藤袴(ふじばかま)
桔梗(ききょう)
その他 菊(きく)・吾亦紅(われもこう)など
季節のお花をお供えします。
畑ではお芋の収穫時期でもありますので
お芋をお供えする地域もあり、
無事収穫が済んだ感謝の気持ちをこめて「芋名月」とも呼ばれます。
そして今年の十三夜は10月8日です。
この十三夜は、
十五夜とセットでお祝いすることが良しとされており、
どちらか片方しかお祝いしないと「片月見」などとして忌まれます。
十三夜の別名は「栗名月」「豆名月」などと呼ばれます。
ちなみに、十三夜のお月見を最初に行ったのは
平安時代の後醍醐天皇だという説があります。
更に、九月十九日は『敬老の日』
長寿を祝う日。
長く人生を費やしてきた経験や得てきた知識、つまり学問や徳の深い方なのです。
「老いに入る」人生の先輩からの言葉は
瞬時に検索できるネットにはない知識が含まれている氣がします。
ググっても出てこない情報は貴重ですよね。
今でも還暦をはじめ古希・喜寿・傘寿・米寿…などと続き
大還暦(120歳)まで長寿お祝いの名称があります。
更に更に、九月二十日は『秋のお彼岸入り』
秋ですので「お萩」ですよね。
小豆の収穫後の日が浅いため
小豆の皮も柔らかいので“粒あん”
そして、春彼岸の牡丹餅よりサイズが小さ目です。
なんだか忙しいイベントが続きますが
昼夜の気温差も大きく、
朝晩は肌寒くなり本格的な秋の到来です。
続々届く美味しい秋の味覚、楽しみですね。
ミッションメンタリング協会認定マスター
周防千賀子
