
2022年9月23日【秋分(しゅうぶん)】
太陽が真東から出て真西に入る
春分と同じように、
昼と夜の長さがほぼ等しくなります。
(ちょっと昼間の方が長いんですって…)
“秋の日は釣瓶(つるべ)落とし”
といわれるように
今、綺麗な夕焼けが見えたと思ったら
井戸の釣瓶のようにあっという間に陽が沈み、暗くなり
「秋の夜長」へと向かいます。
「陰陽の中分となれば也」
陰陽・昼夜・暑寒もちょうど中間
爽やかな秋らしい気候ですが、
“秋雨前線”が活発になり
長雨が続いたり、
台風シーズンとも重なったりしますので注意が必要です。
今年も既に台風被害に見舞われましたものね。
〜七十二候〜(しちじゅうにこう)
春夏秋冬、一年間を二十四分割した二十四節気を更に三分割したのが七十二候。
季節それぞれの出来事をそのまま名前にした言の葉、約五日ごとに移ろう細やかな季節。
①初侯・9/23~9/27
雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)
夏にゴロゴロ鳴り響いた雷が収まる頃
秋の気候へと変わって来ています。
高く澄んだ秋の空には、夏の大きな雷雲の代わりに
モコモコした鱗雲が現れます。
②次侯・9/28~10/2
蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)
虫たちが早くも冬籠もりの支度を始める頃。
元気に活動していた虫たちは、
秋冬の半年間を木の根・枯葉の下・土の中で静かに過ごします。
来年の【啓蟄】3月6日まで長期間過ごすのですから、入念な準備が必要ですね。
余談ですが…
虫たちの “冬籠もり”の一例です。
【コオロギ】
温度が保たれる土の中に卵を産んで子孫を育む
【モンシロチョウなどの幼虫】
さなぎの状態で冬を耐える
【テントウムシやクワガタ】
成虫のまま木の根元や土の下に潜る
【カマキリ】
雪に埋もれない高さに卵を産む
それぞれの虫たちはそれぞれに春を待ちます。
寒い季節を生き抜き
命をつなぐ事に全勢力を注ぐ…
自然は厳しいのですね。
カマキリはその冬の積雪量が予測できるってスゴイ!
そして私達も卵の位置で雪の積もる高さを知れるのですね。
③末侯・末候10/3~10/7
水始涸(みずはじめてかる)
田の水を落として稲穂の刈り入れを始める頃
黄金色に美しく色づいた稲穂が頭を垂れ秋が深まると
いよいよ収穫の時期です。
昔から米の字にかけて
「米作りには八十八の手間がかかる」といわれますが
土づくりから丹誠込めた田んぼで
風にキラキラ輝く稲穂が実り
そこから沢山の工程を経て主食のお米となるのですね。
本当に心から感謝です。
「暑さ寒さも彼岸まで」
といわれるように
季節の変わり目を実感する時期。
春分の日に比べると、気温はかなり高いのですが、
危険な暑さの夏の後ですので、すがすがしく、過ごしやすく感じられますね。
悟り・理想の世界『彼岸』と
私達の煩悩の世界『此岸』が
通じやすくなるこの時、
暑さや寒さに伴う辛い症状も、お彼岸の頃には和らいで楽になる…
春のお彼岸は、
厳しい冬を乗り越えて、
訪れた春を祝いご先祖さまに感謝します。
種まきをして、自然を称え生物を慈しみます。
秋のお彼岸は、
猛暑や台風被害に耐えて、
無事に収穫出来る事に感謝をします。
そして、ご先祖を敬い亡くなった人をしのびます。
自然に対する感謝や祈りは
ご先祖さまへの感謝の気持ちとも繋がっているので
お彼岸にはお墓参りをして、ご先祖さまへの感謝を伝えましょう!!
この時期のお花といえば
その名の通り「彼岸花」
別名「曼珠沙華(マンジュシャゲ)」
サンスクリット語で『天界に咲く花』
素敵な別名ですよね。
でもこの他に
お彼岸に咲くので…
「死人花(しにとばな)」「幽霊花(ゆうれいばな)」
毒性があるので…
「毒花(どくばな)」「痺れ花(しびればな)」
などちょっと怖い別名もあります。
お花が咲いている時期には葉っぱはないのが特徴。
美しいお花ですが、花全体に約20種もの有毒アルカロイドを持っているそうです。
特に球根に多く含まれていて、毒抜きせずに食すと
激しい下痢や嘔吐、ひどい場合は呼吸不全や痙攣など
深刻な症状を引き起こすそうです。
でも昔からお墓の近くに植えてあるのは、
この毒により土中の生き物(モグラやネズミなど)からご遺体を守り、
傷つけられないようにするためなのは納得です。
昔はしっかりと毒抜きをして食用になっていたようですけど…
触れても問題はなさそうですが
お花全体に毒があるので、眺めているだけにした方が良さそうですね。
暑くも寒くもなく
心地よく過ごしやすい季節
食欲の秋、
読書の秋、
スポーツの秋、
芸術の秋、
紅葉狩りなど旅行の秋、
睡眠の秋 などなど…
お好きな秋を思う存分楽しんでくださいね!
ミッションメンタリング協会認定マスター
周防千賀子
