
2022年12月7日【大雪(たいせつ)】
お坊さんも走りだす⁈
『師走』(しわす) 12月に入りました。
一ヶ月の流れの速さを最も感じる時かも…
年末にかけて用事が目白押しですものね。
怪我や事故のありませんよう、心を落ち着けてまいりましょう。
「雪いよいよ降り重ねる折からなれば也」
雪が降り積もる時期で、本格的な冬の到来を感じる頃
いよいよ冬将軍がやってくる季節ですね。
予想外に大雪(おおゆき)になる地域もあります。
〜七十二候〜(しちじゅうにこう)
春夏秋冬、一年間を二十四分割した二十四節気を更に三分割したのが七十二候。
季節それぞれの出来事をそのまま名前にした言の葉、約五日ごとに移ろう細やかな季節。
①初候12/7~12/11 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
天地の氣が塞がれ冬がおとずれる頃
空を塞ぐように厚く重い雲
冷たい氷雨や雪をもたらすその雲に生き物もじっと氣をひそめています。
動きのない「深閑」とした様子が伝わりますね。
「塞」には、寒さから人々を守るという意味のほか『砦』の意味もありますので
集落の入り口で外部からの邪悪な物を跳ねつけたり、
旅人の安全を守る『道祖神』は「塞の神」(さえのかみ)との別名があるのも納得ですね。
②次候12/12~12/16 熊蟄穴(くまあなにこもる)
熊が冬籠もりで過ごすための穴にこもる頃
熊さんは冬の間ぐっすり眠っている訳ではなく、
脈拍や呼吸数を減少させ食料不足対策や体力温存のため、ほとんど身動きしません。
でもこの間に子供を産み、寒さや天敵からこぐまを守れる穴の中で、
春までに少しでも大きく育てなくてはなりませんので
わずかな物音やにおいの刺激が気づけるほどの浅い眠りだそうです。
そして春の暖かい気配で一緒に穴から出て行動開始です。
お山のドングリを食べたり川で鮭を採ったりして準備万端。
ツキノワグマは樹洞を利用して、
ヒグマは斜面の土を掘って『冬ごもり』です。
余談ですが…
滋賀県大津市の酒造で
浅茅生(あさぢを)熊蟄穴(くまあなにこもる)という純米吟醸無濾過生原酒が発売されているんですって。
滋賀県の草生米(みずかがみ)を使用して、出来るだけ早く新酒を味わっていただくために造ったお酒だそうです。
七十二候「熊蟄穴」12月12日~16日の頃に届けることができるのでこのネーミングにしたとか。
本格的な冬に向かい次々と出来上がる新酒を楽しみに待ちながら、召し上がっていただきたいお酒なのだそうです。
熊以外でも、シマリス・カエル・ヤマネ・コウモリなども冬籠りするのですよ。
③末候12/17~12/21 鱖魚群(さけのうおむらがる)
海で育った鮭が群がって川を遡上する頃
北国の冬の風物詩。
海で育った鮭が産卵のために自分の生まれた川への里帰りします。
あの広い海の中で、なんと生まれた川の匂いを辿って上流を目指し、
流れに逆らって一気に故郷の河川を遡上するそうです。
鮭は昔から災いを避ける(さける)とされ、卵のいくらは子孫繁栄の象徴と考えられてきましたので
鮭が獲れる地域ではお正月の縁起物とされています。
そして鮭が獲れない西日本では鮭の代わりに鰤(ぶり)が使われるそうです。
前侯で、熊たちの冬籠もり前の大切な栄養素の一つの鮭、
北海道のヒグマが遡上してくる鮭をくわえた姿…
これも自然界の風景であり食物連鎖なのですね。
自然界の生き物にとって厳しい冬を生き延びる、命がけのサバイバルのスタートです!!
「奥山(おくやま)」ですとか「深山(みやま)」という言葉があるように
凍てつく厳冬の、まるですべてを拒むような冬山で、繰り広げられている生き物たちの暮らしに、
想いを馳せて見守っていきたいものです。
今までのように活発に行動するのではなく
エネルギー消費を控えて何よりも組織や細胞の修復に努める、
木々達も、枝や葉を落とし地下の根に栄養を集中させ葉芽や花芽を育てていく、
そして、人間も自然界の一部
体を固めて“塞”で寒さから身を守りながら『冬ごもり』
静かに充実した気持ちで自分と向き合い
心と体を修復したり、充電したり…
これからの冬の時期の最善の過ごし方なのかもしれませんね!
ミッションメンタリング協会認定マスター
周防千賀子
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