
2023年1月6日(~1月19日)
【小寒(しょうかん)】
年があけて最初の節氣
更に寒さが厳しくなる頃です。
2/4の【立春】前日まで「寒の内(かんのうち)」です。
本日は『寒の入り』と言われ、お便りは「寒中お見舞い申し上げます」となります。
「冬至より一陽起こるが故に
陰氣に逆らう故益々冷える也」
これから寒さに向かう「冬本番」ということですね。
次の節氣が【大寒】ですので、その期間が最も寒さが厳しそうですが
『小寒の氷 大寒に解く』という故事があります。
これは、【小寒】より【大寒】の方が暖かいということもある、ということです。
つまり…
このように自然現象ですら、暦どおりにならないこともあるので
物事すべてが順序どおりにはいかない、ということを喩えた説明のようです。
〜七十二候〜(しちじゅうにこう)
春夏秋冬、一年間を二十四分割した二十四節気を更に三分割したのが七十二候。
季節それぞれの出来事をそのまま名前にした言の葉、約五日ごとに移ろう細やかな季節。
①初候1/6~1/9 芹乃栄(せりすなわちさかう)
せりが生え始める頃
冷たい水辺で育つせりは、一箇所から競り合って生えているので“芹”となったそうです。
日本書紀にも名が見られるほど、古くから食用とされてきた日本原産の野菜です。
香りが良く、整腸作用や免疫力を上げたり、老廃物の排出などの効果があったりする、まさに和ハーブですね!
②次候1/10~1/14 水泉動(しみずあたたかをふくむ)
地中で凍った泉の水が溶け動き始める頃
空気も水も冷たく真冬の時期ですが、地中では“陽氣”が生じて、
既に少しずつ氷の下の水が春に向かい動き出します。
目には見えない自然界の変化を見逃さず感じとれるのは、
研ぎ澄まされた五感と自然界への信頼があればこそでしょうか…
③末候1/15~1/19 雉始雊(きじはじめてなく)
雄のキジが甲高い声で鳴きはじめる頃
キジは日本の国鳥。
「ケーンケーン」という雄の声が聞こえたらパートナー探しの合図です。
全長80cm程の尾の長い美しい緑色の金属光沢のオス、
50~60cmの薄茶色で土や枯れ葉と同化する地味な色がメスです。
余談ですが…
「朝キジが鳴くと雨、地震が近づくと大声で鳴く」などと言われる程、自然界と繋がっているキジ。
足のウラで振動を察知するので地震は事前にわかるそうです。
鳥ですので緊急事態には飛びますが、空を飛ぶというより空中移動という感じです。
飛ぶのは苦手、走る必死な姿もちょっと笑えますが、
スピードがあって時速32キロが観測されているんですって!
またヒナを連れたメスは、
敵の気配に氣づくと自ら怪我を装って敵をひきつけ、ヒナを草陰に避難させます。
オスは常に周囲を警戒しながらメスに寄り添い見守り、
敵の気配に氣づくと大きな声で鳴きメスを逃がすそうです。
キジは優しく家族愛に溢れているのですね。
お正月といえば
“七難を除き 七福を与える”『七福神』
①恵比寿天
商売繁盛・五穀豊穣・家内安全・日本の神様
②大黒天
財宝・福徳・食物の神様
③毘沙門天
戦勝・北方の守護神・仏教の守り神
④弁財天
紅一点・音楽や知恵・大河の女神
⑤布袋尊
不思議な力・福徳円満・弥勒菩薩の化身
⑥福禄寿
子孫繁栄(福)・富貴繁栄(禄)・健康長寿(寿)
⑦寿老人
幸福・財宝・寿命・福の神様
都内では、
浅草名所七福神
亀戸七福神
柴又七福神
山手(目黒界隈)七福神
など沢山の七福神めぐりがあります。
お住まい近くの七福神を巡ってみるのもいいですね。
さて、お正月にひと息つく頃
一月七日は「五節句」のひとつ
『人日の節句(じんじつのせっく)』
「七草粥」の日の方がわかりやすいですね。
セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロと「春の七種(七草)」を入れたお粥。
ハレの日のご馳走続きで疲れた胃腸に優しいお粥。
春のいのちの芽吹きで万病と邪気を祓い、無病息災・長寿を手に入れましょう!
「五節句」についてちょっと触れますね。
数字の奇数は、陰陽でいう「陽」の数字です。
同じ奇数と奇数が重なる日は、
陽と陽が重なり「陰」が生じると考えられ
邪気を祓うために季節の植物など自然界から生命力を貰う行事が行われます。
※1月1日は特別扱いそして人日(1月7日)を除く
「節」は季節の折り目
「句(供)」は季節の変わり目の大切な時の神様へのお供えのこと。
■一月七日
人日の節句(じんじつ) 七種の節句
■三月三日
上巳の節句(じょうし)桃の節句
■五月五日
端午の節句(たんご)菖蒲の節句
■七月七日
七夕の節句(しちせき)笹竹の節句
■九月九日
重陽の節句(ちょうよう)菊の節句
以上が五節句です。
もう一つの行事は
一月十一日『鏡開き』
神様にお供えしていた鏡餅を下げて、お汁粉などでいただきます。
神聖なものですので、刃物は使わずに木槌などで小さくします。
(コレがちょっと大変な作業ですよね^^;)
「切る」「割る」や「砕く」とは言わず、
末広がりを意味する縁起の良い「開く」。
武家から始まった行事なので、切る・割る・砕くは避けられたそうです。
鏡餅にこもる年神様の力をいただき、家族円満や開運を招きましょう。
この神聖な鏡餅を食すことで、完全にお正月の終わりを意味するようです。
寒餅・寒仕込み・寒稽古・寒中水泳は、この“寒の時期”を表わす言葉です。
そしてこの寒さを利用して『凍み豆腐』『寒天』などがつくられます。
最も寒い時期にもこのように自然に寄り添って、
寒さを味方につけて、この時期ならではを作り上げていく…
素晴らしい知恵ですよね。
寒い時期は続きます。
体が冷えると体内の様々な物質が燃焼できず、氣・血・水すべて滞って巡りが悪くなってしまいます。
「風邪は万病のもと」は決して言い過ぎではないのです。
とにかく身体を冷やさないようお過ごしくださいませ!
ミッションメンタリング協会認定マスター
周防千賀子
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