
2023年2月4日(~2月18日)
【立春(りっしゅん)】
春の始まり
二十四節氣の最初・第一節氣
一年の起点になります。
「春の氣立つを以って也」
春の気配が立ち春の兆しがあらわれ始める
寒冷から徐々に暖かくなる時期。
陰氣が弱まり陽氣が強く活動的になります。

〜七十二候〜(しちじゅうにこう)
春夏秋冬、一年間を二十四分割した二十四節気を更に三分割したのが七十二候。
季節それぞれの出来事をそのまま名前にした言の葉、約五日ごとに移ろう細やかな季節。
①初候・第一候 2/4~2/8
東風解凍(はるかぜこおりをとく)
東からの春の風が、池や湖の凍りをとかしていく頃
東風(こち)は春の兆しとなるあたたかい風=春風
陰陽五行で「東」は『春』ですものね。
梅東風(うめごち)・桜東風(さくらごち)と呼ぶこともあるそうです。

②次候・第二候 2/9~2/13
黄鶯睍睆(うぐいすなく)
うぐいすが綺麗な声で鳴き始める頃
春の到来を告げる「春告鳥」
冬の間は山中で過ごし、春の訪れと共に山里へ下りて来る。春を象徴する鶯。
美しいさえずりの『ホーホケキョ♬』が早春の澄んだ空気に清々しく木霊しますね。
春告鳥のウグイス!
梅の開花のように、ウグイス『初鳴前線』も報告されていたのですが
一昨年より「生物季節観測の縮小によりウグイス初鳴き観測廃止‼︎」になってしまいました。
でも毎年
「初音」(ウグイスの初めての鳴き声)を聞くと嬉しく笑顔になりますし、ワクワクしますよね。
猛特訓中の「ホー ケキョケキョ」
なんとも可愛らしい鳴き声は微笑ましいですね。

③末候・第三候 2/14~2/18
魚上氷(うおこおりをいずる)
暖かくなり湖や川の氷が割れて、魚が跳ねるのを見るようになる頃
氷下で泳いでいた魚が飛び出して来る様子。
水の中にゆらゆら泳ぐ魚の姿が見えるようになる。
空気や植物だけでなく、水の中でも感じられる春の息吹。
春はもうすぐそこ…

「茶摘みのうた」にも歌われていて、
被害を与える遅霜が降らなくなる、農作業開始の目安の「八十八夜」、
稲が開花する頃に、
台風に見舞われる農作業の目安となる「二百十日」や「二百二十日」などは全てこの【立春】から数えた日数です。

そして【立春】に関してのお札のエピソード!
禅寺に掛けられる『立春大吉』
縦書きで書かれた厄除けのお札
四文字全部が左右対称なので表裏どちらからでも立春大吉と読めます。
鬼が、『立春大吉』をくぐって入り振り返ると
目の前に『立春大吉』の文字。
入っていなかった…と思った鬼は、もう一度くぐって出で行く。
というちょっと微笑んでしまうような“鬼”のお話。
もう一つ加えると
「鬼門」というのは陰陽五行からきている言葉で
鬼が居るのは北東…つまり「丑寅(うしとら)」を指します。
それで私達は、
鬼 =「ウシ」の角を持って「トラ」の毛皮を着ている
というイメージになっているのですね。
そして、桃太郎の鬼退治のお供は、サル・キジ・イヌ ‼︎
鬼の居る鬼門北東と正反対の裏鬼門「南西」
…つまり「申・酉・戌(さる・とり・いぬ)」
そう!
“鬼” 退治に行くときの桃太郎のお供は「サル・キジ・イヌ」ですよね。
鬼門に対抗できる裏鬼門の動物たちなのです。
誰もが知ってる昔話。
自然界との関わりが描かれているのですね。

【立春朝搾り】
お酒好きの方にはたまりません。
蔵元が節分の夜から一晩中もろみを搾り続け、立春の早朝に搾りあがったばかりのお酒。
【朝生菓子】
甘党の方にはこちら。
立春の朝に作られた生菓子を、その日にいただくと縁起が良いそうです。
日足ものびて木々も次第に芽吹き
お花もほころび始める自然界に後押しされて
軽やかに新たな一歩を踏み出してみませんか⁉︎
ミッションメンタリング協会認定マスター
周防千賀子
