2023年3月21日(~4月4日)
【春分(しゅんぶん)】
太陽が真東から昇り真西に沈む
つまり昼と夜の長さがほぼ同じになります。
本格的な春の到来ですね。
たっぷりの陽射しに誘われて心ウキウキな季節。
「日天の中を行て昼夜とうぶんの時なり」
昼夜の長さが等しくなる時期。
実際は昼の方が14分長いんですって…
6月21日の【夏至】まで一日ごとに日脚が延びていきます。

“自然をたたえ、生物をいつくしむ日”
“彼岸と此岸が最も近づける極楽浄土につながりやすい日”
祝日の二十四節氣のひとつ【春分】は、お馴染みの節氣だと思います。
本日は、春のお彼岸の中日。
(お彼岸は3月18日から3月24日までです)
故人の好みの品や牡丹餅、そして綺麗な春のお花達でお墓はにぎやかに彩られますね。
遠くから思いを馳せるだけでもきっと伝わります。
ちょっとの間、思い出にふけってみるのもいいのではないでしょうか。

〜七十二候〜(しちじゅうにこう)
春夏秋冬、一年間を二十四分割した二十四節気を更に三分割したのが七十二候。
季節それぞれの出来事をそのまま名前にした言の葉、約五日ごとに移ろう細やかな季節。

①初侯・第十侯 3/21~3/25
雀始巣(すずめはじめてすくう)
すずめが巣を作り始める頃
屋根の隙間や雨どいなどに巣を作る、身近な存在だったスズメ。
農作物を荒らすこともあるので
農地には案山子(かかし)などが据えられていました。
現在はどちらも見かける機会が少なくなりました…
チュンチュンと可愛らしく鳴くスズメ。
半世紀前の90%減⁈だそうです。
これからどうなっていくのでしょうね…
でも田んぼの守り神の「かかし」は、住民の方々だけでなく、
全国からも応募出来る手作りの綺麗な案山子(かかし)や
ちょっと愛嬌のあるかかしを飾って『かかし祭り』を開催している所も多いようです。
様々に飾りつけられた「かかし」と町で出逢えられたら楽しくなりますよね。

②次候・第十一侯 3/26~3/30
桜始開(さくらはじめてひらく)
桜前線が北上して各地で桜の開花宣言される頃
今も昔も、春といえば桜。
桜は春の象徴ですよね。
日本中で誰もが咲くのを待ちわびる花、
別れと出会いの季節ですので、思い出を彩ってくれます。
生まれ育った故郷や住んでいるところの開花情報が氣になりますよね。
万葉集に
「桜」を詠んだ歌は、約四十首。
「梅」を詠んだ歌は、約百二十首。
でも古今和歌集ですと
「桜」を詠んだ歌は、約七十首。
「梅」を詠んだ歌は、約二十首。
つまり奈良時代は“お花見”というのは梅の花のこと。
そして平安時代になってから桜の花になったのですね。
純白と深紅の梅の花のお花見も素敵ですが、きっと寒かったのではないでしょうか…
桜とは
『サ・クラ』=『沙・坐』
つまり神様の座っている木。
開運行事でもあるお花見にやはり出かけたくなります。
日本全国の桜たち。
桜前線の北上と共に開花の準備に入り、
今年も見事な美しい姿を魅せてくれるのを楽しみに待ちましょう。

③末候・第十ニ侯 3/31~4/4
雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
春の訪れと共に雷が鳴りはじめる頃
桜が満開の穏やかな春かと思いきや
冬の間、鳴りをひそめていた雷が聞こえ始めます。
寒冷前線の通過などによって起こる春の雷(春雷)は、
雪や雹(ヒョウ)を降らせて作物に被害を与えることもあり
春浅き時期の不安定で変化の多い時期でもあります。
また桜に続き次々とお花が咲く「花の季節」です。
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉があるように、
寒気も和らぎ日差しも春らしく暖かく、過ごしやすい頃になります。
と同時に、しとしとと雨が降り続く「菜種梅雨」の時期でもあります。
霧雨のように細かい雨は静かに優しく大地を潤していきます。
咲き急いでいた桜の花は小休止。
でも全ての作物にとって恵みの雨なのです。

お別れの時期でもありますが
新たに素敵な出会いがありますように。
春風に乗って軽やかにスタートしてみましょう!


