北半球では一年で一番昼が長い日…
最高地から太陽が輝きパワーも最強の日です。
昼が最も短い「冬至」の頃より、東京ですと4時間40分程長いんですって。
【夏至】2025年6月21日（〜7/6)
でも、昼の時間が長いからと言っても
日の出が一番早くて、日の入りが最も遅い、というわけでなくて
日の出は数日前が一番早く、日の入りは数日後に最も遅くなるそうです。
陽熱至極しまた日の長きの至りたるをもって也
日光の熱が極まり日の長さが最も長くなること。
日本ではまだ梅雨どきですし、
（梅雨時でも強い夏の陽射しと照り返しで真夏日もあったり…）
これから本格的な夏を迎えるのですが
既に日照時間は短くなっていくのですね…
〜七十二候〜
春夏秋冬、一年間を二十四分割した二十四節気を更に三分割したのが七十二候。
季節それぞれの出来事をそのまま名前にした言の葉、約五日ごとに移ろう細やかな季節｡
①初侯・第二十八侯 6/21〜6/25
乃東枯
なつかれくさかるる
乃東（だいとう）または夏枯草（かこそう）という『靫草』（うつぼぐさ）が枯れていく頃
冬至の頃に芽を出し小さな花を咲かせた靫草は、
これから色鮮やかな夏の花が咲いていくなかで
季節に逆らうように、花穂が黒ずんで茶色に変わっていきます。
冬至の初侯（12/21頃）乃東生（なつかれくさしょうず）
夏至の初侯（6/21頃）乃東枯（なつかれくさかるる）
年に二回、半年に一度お目見えの『乃東』です。
靫草（ウツボグサ）
名前の由来は
花穂の形が、弓矢を束ねて入れる漆塗りの「靭（ウツボ）」に似ていることからだそうです。
夏（8月頃）に枯れるので「夏枯草（カゴソウ）」とも呼ばれます。
天ぷらや酢の物などの食用以外に、
薬草茶として暑気払いやむくみ防止、
漢方薬として利尿や腎炎・口内炎・喉の腫れなどに効果があるそうです。
②次侯・第二十九侯 6/26〜6/30
菖蒲華
あやめはなさく
水辺に花菖蒲が美しく咲く頃
アヤメやカキツバタ、ショウブなどアヤメ科の花が美しく綺麗な紫色の花を咲かせます。
アヤメが咲くと梅雨到来とも言われます。
花の色…紫色か白色
花弁…網目状の模様が見られ
つけ根…黄色のお花がアヤメです。
『いずれ菖蒲（あやめ）か杜若（燕子花かきつばた）』
という慣用句は、どちらも優れていて優劣付けにくいという意味。
確かに双方とも美しく見分けにくいですよね。
見分け方としては…
陸地などに生えている
→アヤメ
水辺や湿地に生えてる
→カキツバタかハナショウブ
花弁の付け根が白色
→カキツバタ
花弁の付け根が黄色
→ハナショウブ
美しいアヤメですが、
毒成分（イリジェニンやテクトリジンなど）も含まれているそうです。
ペットが誤って口にしないよう注意ですね。
③末侯・第三十侯 7/1〜7/6
半夏生
はんげしょうず
半夏が生え始める頃
半夏の語源は『烏柄杓（カラスビシャク）』が生えることからとも、
半夏生と呼ばれる『片白草』の草の葉が、半分白く染まる頃だからともいわれています。
また関西ではこの日、蛸（たこ）の足のように稲の根がしっかりと張るようにと、
豊作を祈って蛸を食べる地域もあるとか。
夏至から十一日目頃…今年は7月1日
「半夏生」（ハンゲショウ）という雑節でもあります。
昔はこの日までに田植えを終わらせないと
収穫量が減るとか、天から毒が降るとの言い伝えもあり
この時期は農事の節目で、田植えを終えて農作業を休む『物忌みの日』とされていました。
この烏柄杓（カラスビシャク）の球茎は漢方薬として使われています。
半夏厚朴湯（はんげこうぼくとう）
半夏瀉心湯（はんげしゃしんとう）
などという名前のお薬となり、
ストレス・不安・気管支炎・喉のつかえ・胃不調・胸やけに効果的だそうです。
この植物は「狐の蝋燭」「蛇の枕」などの別名があるように、
細い茎のちょっと不思議な形なのです。
そして、緑と白の涼し気な色合いの半夏生。
「半化粧」「片白草」とも呼ばれる
草花の一部の葉が白くなるのは、虫を呼び寄せるため。
この時期だけで花期が終わると緑一色となるんです。
こちらもなんか不思議ですよね。
【夏至】といえば
三重県伊勢市『二見興玉神社』（ふたみおきたまじんじゃ） 夏至祭
訪れた方も多いと思いますが
あの「夫婦岩」の前で夏至の日の出と共に禊をする祭典。
太陽のエネルギーが最も溢れる夏至の日に、夫婦岩の間から昇る朝日…
想像するだけでも感動的ですよね。
清少納言は
『夏の最も素晴らしのは夜』と
この時期の“短夜（みじかよ）”を好んでいたとか…
日本だけでなくスウェーデンなどでも、
白夜のなか、夏の到来のミッドサマーのお祭りが行われます。
六月三十日 一年の半ば「夏越しの祓い」
神社では罪や厄災を祓う、茅草(かやくさ)でつくられた茅の輪くぐり（ちのわくぐり）や、
紙の人形（ひとがた）に氏名年齢を書いて、身体を撫でて
息を吹きかけ、穢れを託し納める行事が行われます。
大晦日の大祓いに対応している、一年の折り返し点。
半年分の穢れを祓って清々しく後半スタートです。
是非、「茅の輪」を設置している神社を探して
“茅の輪くぐり”を体験してみてくださいね。
そして、六月の旧呼び名でもある“水無月（みなつき）”という和菓子。
白い外郎（ういろう）生地の上に小豆をのせて、三角形に包丁されたお菓子。
水無月の上の「小豆」は『悪魔払い』を意味して
「三角」は暑気を払う『氷』を表しています。
冷房も冷蔵庫もない時代、
もちろん現代ほど気温は高くないですが
蒸し暑さで体力を消耗したり病気が流行ったりしました。
昔…
宮中では冬に出来た氷を山間の氷室に貯蔵しておき
夏に取り寄せた氷を口にして
健康に過ごせるよう祈る「氷の節句」が行われていたそうです。
しかし庶民には夏の水さえ貴重ですので氷など口にできません…
そこで氷室の氷片をかたどった三角形の生地に
厄除けの小豆を散らしたお菓子が作られるようになったとか。
庶民の氷への憧れ⁈からうまれた和菓子「水無月」の誕生秘話ですね。
和菓子って常にその時の ”旬“のお菓子…
今でしたら「紫陽花」の練りきりなどが並びますよね。
先ず見た目から、身近に季節を感じられる食べ物っていいですね。
現代は、二十四時間眠らない都会、
そして便利さ故に忙し過ぎる日々。
時には太陽の明るさ・夜の闇の暗さや静けさ
自然と共に
四季の移ろいを肌で感じられる暮らしに身をおいてみる。
本当の人間の在り方、
贅沢とは何かが見えてくるかもしれませんね。
今年（2025年）、折り返しの日
この半年の穢れを祓い
残りの月日の無病息災を祈願して。
ミッションメンタリング協会
認定マスター
周防千賀子
自分の内側から答えを引き出す視点を持った、ミッションメンタリングマスターと一緒に、自分の才能と使命の設計図を読み解いていきましょう。
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