【霜降】2024年10月23日（～11/6)
前回の節氣【寒露】では、「寒」と「露」
そして今回は「霜」という文字。
秋も終盤…
冷え込んで来そうですね。
冷えた露も凍って霜が降り始める
秋の深まりと共に初霜の知らせが聞こえるこの頃、
山々は紅葉で美しく彩られます。
露が陰氣を結ばれて
霜となりて降るゆえ也
朝露がついに「霜」に変わり、冬の兆しを感じ始める頃。
晴れた夜に気温が氷点下になると、
水蒸気が地表に凝結して「霜」となる、自然現象の【霜降】
寒くなってきそうな気配の表現ですね。
この日から【立冬】までの間に吹く冷たい北風を『木枯らし』と呼びます。
〜七十二候〜
春夏秋冬、一年間を二十四分割した二十四節気を更に三分割したのが七十二候。
季節それぞれの出来事をそのまま名前にした言の葉、約五日ごとに移ろう細やかな季節｡
①初侯・第五十二侯 10/23～10/27
霜始降（しもはじめてふる）
北国や山里で霜が降り始める頃
空気中の水蒸気が氷点下に冷えたものに触れて、
微細な氷の粒となって付着する（＝昇華という）…これが「霜」
足下の草木の表面などに出来る「霜」
雪と同じく、さまざまに美しい結晶の形をしてるんですって。
その霜が「降る（ふる）」と表現するのは、
昔、霜も『雪』のように空から降ってくると思われていたからだそうです。
今は霜が「降りる（おりる）」といいますよね、漢字は同じですが…
霜が降りるには、その周辺の温度が０℃以下であることや、風がないことが条件となり
気象庁で発表される気温は、地上から1.5mの高さの数値との事。
つまり気温が３℃と発表されていても、
冷気がたまる地面の温度は０℃以下になっていることもある…
だから予想気温が３～４℃であっても「霜注意報」が発令される。
霜で冷えすぎた植物は中の水分が凍り枯れてしまうそうです。
農作物やお花や植物には『霜対策』が不可欠なのですね。
②次侯・第五十三侯 10/28～11/1
霎時施（こさめときどきふる）
パラパラと、小雨（しぐれ）が降り出す頃
しとしと優しく降る雨や、パラパラと降ってはすぐに止んでしまう通り雨。
“女心と秋の空” ⁈というところでしょうか…
「時雨」ってなんか素敵ですよね。
この頃から紅葉が最も華やかになります。
青空と紅葉のコントラストも美しいですが、
この時期の「秋時雨」と呼ばれる雨は紅葉をしっとりと趣き深く演出してくれますね。
話は逸れますが…
アサリやハマグリなどの貝や、牛肉を生姜を効かせて煮た佃煮を
『時雨煮（しぐれに）』って言いますよね。・・・素敵なネーミングです。
③末侯・第五十四侯 11/2～11/6
楓蔦黄（もみじつたきばむ）
平地でもみじやつたが色づいてくる頃
楓や蔦などの紅葉が美しくなる時期です。
色づき始めてから3、4週間後が見頃だとか。
- 葉が赤色に変わるのを『紅葉』…モミジやカキなど
- 葉が黄色に変わるのを『黄葉』…イチョウやカシワなど
- 葉が褐色に変わるのを『褐葉』…ブナやクヌギやミズナラなど
美しい紅葉の条件は
- 昼夜の温度差が大きい
- 十分日射しが届いている
- 適度な湿度がある
などだそうです。
北海道の大雪山から始まる「紅葉前線」は徐々に南下。
12月初め頃まで順次列島を美しく演出してくれます。
紅葉する前に散り始めた葉も見かけますが、
今年はどんな素敵な彩りを見せてくれるのでしょうね。
現在「秋の土用」期間です。
数日前の10月20日から『秋の土用入り』
酷暑が続いた夏の疲れや、胃腸の働きが悪くなりやすい時期…
でも寒い冬に向けて体力を蓄えておくことも大切です。
日本にも馴染んできた「ハロウィン」
ケルト民族のサウィン祭りが起源で、ケルトでは、11月1日が新年。
そして大晦日は10月31日。
その夜、先祖の霊に紛れて悪霊も一緒に来てしまうので、人々は追い払うため
仮面を被ったり、仮装したり、魔除けの焚き火を行ったりしたそうです。
それがキリスト教圏に広がり、秋の収穫のお祝い・先祖の霊のお迎えと共に、
悪霊を追い払い、死者の魂を慰めるお祭りになったようです。
日本のお盆みたいですね！
「ジャック・オー・ランタン」は、
かぼちゃを怖い顔にくり抜いて窓辺などに飾り、魔除け・悪霊を怖がらせ追い払います。
日本の「鬼火」のような存在ですね！
「トリック・オア・トリート』と子供達の可愛らしい声。
「ハッピーハロウィン！」と返してお菓子を渡して、悪霊を払います。
こんな可愛くて微笑ましいハロウィンでしたらいいですよね。
秋最後の節氣です。
体調を崩しませんよう健康にお氣をつけて。
シャキッと澄み切った秋から、移りゆく季節の足音を探しながら
お楽しみくださいませ。
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