「どうして、彼は辞めてしまったんだろう?」
経営者のRさんがそうつぶいたのは、
信頼していた若手の幹部候補が、突然会社を去った日の夜でした。
頭も切れるし、責任感もある。
現場からの信頼も厚く、将来を任せられると思っていた。
実際、育成にも力を入れ、ポジションも与えた。
だが、彼は去った。
静かに、迷いのない表情で。
「会社に不満があったわけではありません。
ただ、どうしても自分のやりたいことが他にあるような気がして…」
そう言われたとき、怒りよりも、深い虚しさを感じたそうです。
経営者として、何かを間違えたのか?
それともこれが、今どきの若者というものなのか?
でも、そうして去っていったのは、彼だけではなかったのです。
ここ数年、せっかく育てた人材がある程度のキャリアを積んだ後に、
静かに辞めていく・・・。
そんな現象が続いていました。
待遇は平均以上。
評価制度も導入済み。
社員同士の関係も悪くない。
なのに、どこかで人が定着しない…
「やりたいことが他にある」
「もっと自分を活かせる場所がある気がする」
何かがおかしい。
何が根本的にズレているのか、わかりませんでした。
そんなある日、紹介で「ミッションメンタリング」という手法を知りました。
最初は半信半疑でした。
東洋2500年の知恵とメンタリング?
“才能の見立て”?
正直、ふわっとしていてピンとこなかったそうです。
しかし、体験会に参加したときのある問いが、心に刺さったのです。
「社員を、やる気にさせようとしていませんか?」
・・・ハッとした。
振り返ると、自分は「この人にはこれをやらせたい」という想いで人を配置していた。
「頑張ってほしい」「育ってほしい」と願いを込めて。
そして、昇給や昇格でやる気にさせようとしていた。
だが、その人自身の
「自然に湧き出る才能」や「無理なく輝けるフィールド」を、
見極めようとしたことがあっただろうか?
ミッションメンタリングでは、
古代中国の思想に基づいた才能分析と、現代のメンタリング技術を掛け合わせ、
「その人がどんな才能を持ち、どのように活かすと最も自走し、貢献するのか」
を見立てていくのです。
実際、ある社員に試してみました。
営業に配置していたが、どうも数字にムラがあった社員。
人当たりは良く、話も上手いが、
プレッシャーがかかると急に落ち込む傾向がありました。
見立ての結果、彼は「共感力」と「育成力」の才能が突出していて、
成果に追われるより、人を支える側で自然に力を発揮することがわかったのです。
すぐにポジションを営業からチームの育成担当へと再編。
すると、彼はまるで水を得た魚のように、チーム内の人間関係を整え、
若手の成長を引き出し、結果として、チーム全体の数字が上がりはじめました。
本人もこう言いました。
「はじめて、この仕事が自分に向いているって思えました」
無理に鼓舞しなくても、頑張らせなくても、
才能に合った環境と役割に人を置くだけで、人は自然に動き出すのです。
そして、イキイキと働く社員は、辞めないのです。
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離職防止には、制度や管理も必要です。
でも、「才能を見立てる力」がなければ、本当の意味での定着や活躍は生まれません。
これは、一部の優秀な経営者がひそかに取り入れ始めている
次世代型のマネジメント手法なのです。
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