「ほら、言うじゃないですか。鶏口となるも牛後となるなかれって。
小さな鶏の口でもいいから先頭に立つ、大きな牛のしっぽになるなってことでしょ。
大きい銀行より、この銀行の方が、K君を頼りにしてくれるはず。
自分で主体的に、自分らしく頑張れるってことですよね。
だから、自分の人生のハンドルを自分で握れる。よかったじゃないですか!」
「そうですね」
K君は大きく目を開いて、じっと私の顔を見ていました。
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人は人生の方向を決める時、多くの人が、無意識にこう考えます。
- 安定している方がいい
- 失敗しない道を選びたい
- みんなと同じなら安心
それは、とても自然な感情です。
でも、その選択を重ねていくと、気づかないうちにこうなります。
「自分の人生なのに、自分で決めている感じがしない」
これが、モヤモヤの正体です。
ミッションメンタリングで言う「自分軸が弱い状態」です。
牛のしっぽは、自分では進む方向を決められません。
前を歩く牛に、ただついていくだけです。
一方、鶏口は小さい。
責任もあるし、不安もあります。
でも、決定的な違いがあります。
「進む方向を、自分で決められる」
これが主体性です。
そして人はこの主体性を感じられるときにこそ、大きなエネルギーが湧いてくるのです。
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私は、K君に話を続けました。
「僕はもう先が短いけど、K君は若いから、これから未来がたくさんあるでしょ。
やりたいこと、実現したいこと、たくさんできるよね。
そうだなあ、もしも僕がK君なら、地元の中小企業の経営者を集めて
あんなことや、こんなこと・・・色々やってみるなあ。
で、そこで得られる経験や人脈は、きっと次のキャリアに役に立つと思うなあ。
うわあ、いいなあ、羨ましいなあ。僕と代わってほしいなあ。いいなあ」
・・・と、ここで我に返りました。
静かな銀行で、一人だけ盛り上がってしまっている自分に気づき、少し恥ずかしくなりました(笑)。
でもK君は、ニコニコしながら聞いてくれていました。