こんにちは!篠田法正です。
前回は、ある時の若手社員へのコーチングの場面で、リーダーシップについてお伝えしました。
「真のリーダーシップに必要なものは、指示命令・権限ではなく、尊敬と信頼である」
では、その尊敬と信頼をどうやって獲得していけば良いのでしょうか?
私のコーチングは続きます。(前回の話はこちら)
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Aさん、
リーダーシップとは、その名の通り、何かをリードする、導くことですよね。
でも、実は、本当のリーダーシップとは、他人を導くことではないのです。
一体、何を導くのでしょう。
本当のリーダーシップは、「自分」を導くのです。
他人を導くのはとても難しい。
考え方も価値観も人生経験も千差万別だから。
他人を導くのは難しいけれど、自分で自分を導くのはずっと簡単です。
では、自分をどこに導くのでしょう?
悪い自分へ導くのか?
それとも、
理想の自分へ導くのか?
もちろん、理想の自分です。
なぜ、理想の自分に導かなくてはならないのでしょう?
もしも自分を導くことをしないで、
何も考えず、だらだらと楽をして生きていたとしたら、どうでしょう。
いつの間にか、勝手に素晴らしい理想の自分に近づいていくでしょうか?
新品の鉄くぎを思い浮かべてみてください。
ピカピカだったその鉄くぎは、時間がたつと、だんだんと錆びていく。
その錆びた鉄くぎを、そのまま放っておいたら、
いつの間にか勝手に新品同様のピカピカの鉄くぎにもどっていくでしょうか?
放置して腐ってしまったマグロの刺身が、
何もしないのにいつの間にか勝手に新鮮な刺身にもどるでしょうか?
そう、この世の中は、残念ながら、
何もしなければ崩れていくのが、自然の方向なのです。
何もしたくない、挑戦も努力もしたくない、
楽に生きたいと思っているだけで、
勝手に、理想の素晴らしい自分になっていくことはありません。
錆びた鉄くぎが、勝手にピカピカにはならないのと同じ。
だから、自分で自分を、理想の自分へ導いていくのです。
リードするのです。
自分で自分をリードしない限り、崩れていってしまうからです。
もっと言うと、自分で自分をリードしないと、
他人があなたをリードしてしまうかもしれません。
自分の人生は、自分でつくりたいようにつくるのです。
理想の自分を描いて、
それに向かって自分をリードしていこうとすれば、
少なくとも理想に一歩ずつ近づいていく。
リーダーは人の上に立つことだと考えると、難しくなります。
人の上に立とうとしなくていい。
ただ、理想の自分になろうと努力すればいいのです。
理想は自由に描くことができます。
どんどん新製品の企画を出せる自分、
真似のできない匠の技をもつスゴイ職人、
お客様から次々と指名される凄腕営業マン、
どんな理想の自分に描いてもいいんです。
人はいつだって選択の自由をもっている。
理想の自分を選ぶことができるのだから。
そう、自由なのです。
自由に描いた理想の自分に近づくために、
目の前の困難に立ち向かい、
努力し、問題を解決することによって成長していく。
理想に向かって一歩ずつ進んでいくことができるのです。
困難があればあるほど、成長できる。
課題が難しければ難しいほど、成長できる。
その時、あなたは幸せを感じ、そして輝いています。
そうやって、自分を理想の自分に導いていく姿は、必ず、他人に伝わります。
そして、信頼と尊敬を得ることができるのです。
その時、あなたは真のリーダーとなっているはずです。
あなたが自分を理想の自分へ導いて幸せに成長していく「見本」を見せることで、
他のメンバーも、自分も幸せに成長したくなり、動き出すのです。
これが本当のリーダーシップなのです。
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「なるほど・・・」
Aさんは、何かをつかんだようでした。
(続く)
では、またお会いしましょう。
大手化学メーカーの研究者から経営コンサルタントに転身した篠田法正代表は、東洋の帝王学と言われる「算命学」から独自のコーチング術「ミッションメンタリング」を生み出した。自発的に才能を生し成果を上げるという「ミッションメンタリング」について、篠田代表に聞いた。