【小雪】2023年11月22日（～12/6）
「雪」の文字が出現です。
北風の冷たさを実感し始め
北国では平地でも雪がちらつくことがあります。
積もるほどの雪ではなく、ちょっとした雪なので【小雪】
陽射しは弱くなり、次第に冷え込みが厳しくなってきます。
冷えるが故に雨も雪と也てくだるが故也
日照時間が短くなり、空気は冷えて、雨は降ってくる間に雪となっている。
いよいよこれから寒さが増してくるのですね。
〜七十二候〜
春夏秋冬、一年間を二十四分割した二十四節気を更に三分割したのが七十二候。
季節それぞれの出来事をそのまま名前にした言の葉、約五日ごとに移ろう細やかな季節｡
虹蔵不見（にじかくれてみえず）
曇り空が多く虹が見えなくなる頃
虹は太陽光が雨にあたって屈折することで現れます。
日差しが弱く、空気も乾燥してくるこの時期になると、
夏の空のようなくっきりとした虹ではなく
ぼんやりと白っぽい虹で、すぐに消えてしまうようです。
北日本では空一面どんよりとした鼠色に覆われて、より寒く感じますね。
また一方で
冷たい雨が上がった晴れ間に出会える『冬の虹』という言葉がありますが、
こちらは珍しいものに出会った新鮮さを含む表現のようです。
「蔵」くらと書いて『隠れる（かくれる）』と読みます。
蔵は物をしまっておく場所。
“お蔵入り”という言葉もありますように、隠して表にあらわさないという意味ですので
「隠」ではなく「蔵」という文字。
この季節にお似合いな感じがしますね。
朔風払葉（きたかぜこのはをはらう）
冷たい北風が木々の枯れ葉を落とす頃
「朔」とは、月の一日目を指します。
一番はじめ（朔）の干支は「子（ね）」
子の方向は「北」
という事で「朔風」とは北風、木枯らしの事。
冷たい北風に木々の葉が舞い落ちる、落ち葉時雨の後は、
地面がたっぷりの日差しを受ける冬枯れの景色…
殺風景と思いがちな寒々と枯れ果てた景色に
完全ではない美しさを見いだす感性が『枯れ』『冷える』と表し、
やがて『わび』『さび』など日本人ならではの、大切で素敵な感性へと繋がっていったのでしょうね。
橘始黄（たちばなはじめてきばむ）
たちばなの実が黄色く色づく頃
『橘』は古代日本では柑橘類の総称だったようです。
日本に自生している常緑樹で、長寿瑞祥の樹として珍重されて
京都御所に「右近の橘、左近の桜」として植えられました。
文化勲章の文様は『橘』ですが、実はこの文様、文化勲章の立案時は『桜』と迷っていたそうです。
昭和天皇の
「桜は花も葉も散ることから潔く散る武人の象徴であるが、橘は常緑樹で緑青く永遠に続くものである。
文化を称える勲章も永久（とわ）に続くものであってほしい。」
とのお言葉で橘のデザインになったとか…
（先に記しましたが黄ばむのは葉ではなく実の方です）
そんな日本固有の柑橘類ですが、
現在は絶滅危惧種に指定されているなんて、ちょっと寂しくなりますね…
明日11月23日は「新嘗祭（にいなめさい）」ですね。
なんか先月も聞いたような…と思われるかもしれません。
それは、『神嘗祭（かんなめさい）』
伊勢神宮で10月15日夜から17日昼まで行われる行事です。
天皇陛下が天照大神に初穂をお供えして感謝をお伝えします。
そして明日は「新嘗祭」
稲の豊作を祝い、来年の豊穣を祈願する収穫祭のことです。
その年の収穫を神様に感謝するお祭りです。
天皇陛下が宮中で、新穀を天照大御神や八百万の神にお供えして、
自らも食することで収穫への感謝を表わします。
といっても皆さまは『新嘗祭』？？ でしょうか。
11月23日は「勤労感謝の日」の祝日ですよね。
“勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝し合う日”
今年最後の祭日、お楽しみくださいませ。
余談ですが
これから美味しくなる北海道の「柳葉魚（ししゃも）」。
アイヌの言葉で「スサム」（柳の葉）が語源だそうです。
寒さや雪で大地から食物がなくなる中、
神さま（カムイ）が川に流れてきた柳の葉を魚に変えてくれた、という伝説に基づいているそうです。
優しいカムイに想いを馳せて
温かな気持ちで美味しくいただきましょう！
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